「結月さん、おはようございます」
「沖田さん……おはようございます」

「今日はいい天気ですね」と朗らかな笑顔を浮かべる沖田さんは、窓から差し込む光に眩しそうに目を細めている。


――昨日突然家を出て行った沖田さんは、数十分して帰ってきた。
何事もなかったかのような笑顔で「ただいま帰りました」なんて言われてしまえば、話を蒸し返すようなこともできなくて。

結局、私がトシ先輩を好きという誤解も解けていないままだ。


いつも通り二人分の朝食を用意して、私が食べている様子をにこやかに眺めている沖田さんと談笑してから、そのまま共に大学に行く。

サークルに顔を出せばもちろんトシ先輩の姿も見えるけれど、「土方さんってば今日も恐い顔して……もうちょっと愛想よくすればいいのに」なんて言いながら楽しそうに本人の周りをうろうろしたりしている沖田さんは、いつもと変わりないように見える。

あの夜のことは夢だったのではと思うくらいに――――平穏な毎日を過ごしている。