――隊服にそんな思いが込められていたなんて知らなかった。
何だか不思議と感慨深さを感じる。
「沖田さんは浅葱色の羽織、気に入っていたんですか?」
「そうですね……うーん、気に入っていたかと言われると何とも言えませんけど、」
そこまで言って少し考えるように首をひねってから、浮かぶのは穏やかな笑顔。
「――主君の為に命をかけるが真の武士だというなら、僕にとっての主君は近藤さんでした。あの人の為に生きて、あの人の為に死ぬ。そう決めていた。ですから――浅葱の色は好きです。“誠の武士の色”だと、僕はそう思っています」
――――とても優しい表情。
近藤さんが大好きで、大切に思っていたことが伝わってくる。