店内へと続く扉を開けば、チリンと可愛らしいドアベルの音が鼓膜を揺らす。
奥の方にあるカウンターでは綺麗な女の人が微笑んでいて、「ごゆっくり見ていってくださいね」と穏やかな声で告げてくれた。
会釈をしてから、棚に並べられている商品に順に目を移していく。
ぬいぐるみにキーホルダーにタオルに髪留めまで……色々な商品が並べられている。
気になったものを手に取って眺めていれば、どこか見覚えのある猫のキャラクターが描かれたマグカップが視界に入った。
「何か気になるものでもありましたか?」
小声で問い掛けてきた沖田さんの顔を見て、この猫になぜ愛着にも似たような気持ちを感じるのか……合点がいった。