「おい立花!お前……頼んどいた資料の件、まさか忘れてたなんて言わねーだろうな」
「……あはは」

背後からの呼びかけに思わず肩が跳ねる。
振り返って空笑いを漏らせば、トシ先輩の口元が引き攣った。

「……あははじゃねーんだよこらっ!」
「わ、痛い痛い!!トシ先輩痛い!」

逃げようと足を踏み出すよりも先にトシ先輩に首根っこを掴まれた私は、遭えなくお説教を受けることとなった。
もちろん忘れていた私が悪いということは自覚しているので、反省してはいるけれど。

――でも昨日はバイトもあったし、その後迎えに来てくれた沖田さんと一緒に帰宅してご飯を食べて、直ぐに眠ってしまったんです。……はい、どう考えても忘れていた私が悪いです。

脳内で一人反省会をしながら、トシ先輩からの米神へのぐりぐり攻撃を受ける。