「生まれ変わりとはいえ、土方さんにもう一度現世で出会うことができて嬉しかったです。ですがそれ以上に――あの人が全てを忘れているという事実に落胆しました。でも……不思議と安堵する気持ちもあって、」
「……どうしてですか?」
「……あの日々は、良い思い出ばかりだったわけではありませんから。むしろ……仲間を失う悲しみや憤り、自分の無力さを痛感した時の遣る瀬無さ……まあこれは限られた人の話かもしれませんけど」
自嘲するかのような笑みを漏らして瞳を哀しそうに曇らせた沖田さんだったけれど、再び土方さんの話を始めれば瞳には光が宿る。
「でも、あの人は……きっと最後まで戦っていたんでしょう。一人で多くのものを背負って、最期まで誠を貫いたんでしょう。だからこそ――思い出して、苦しんでほしくないんです。忘れているならそれで良い。……それがいいんです」