「――こんなに温かな手の人の心が冷たいはずありませんよ」

至近距離で見る飴色の瞳は緩やかに細められていて、星の如く澄んでいる。
吸い込まれてしまいそうだ。


数秒か、数十秒か。
見つめ合ったままに止まっていた刻は、沖田さんが声を発したことで動き出す。


「――ここ最近、ずっと考えていたんです。土方さんのことを」

人通りの少ない道の端、街灯の明かりが淡く照らす下で、沖田さんはぽつりと話し始める。


――――私を心配してというのももちろん嘘ではないだろうけれど、きっと沖田さんは、このことを話したくてここまで来てくれたのだと思う。

あの日揺らめいでいた瞳も、今では――決意を秘めた光を宿しているように見えるから。