***

大学での講義を終え、その足でバイト先へと向かった。

今日は客足も多かったのであっという間に時間が過ぎたように感じる。

バイト先の仲間に挨拶をして外へと出れば、もう日も暮れて辺りは真っ暗だ。
最近は春めいた日も増えたとはいえ、まだ二月下旬。夜には冷え込む日も多い。
あと数日で三月に入るし、そうすれば一気に暖かくなるのだろうか。

気持ち足早に駅へと向かっていれば、後ろから肩を叩かれたような感覚。
人の気配はしなかったけれど、気のせい……?

辺りが暗いということもあり、少しばかり恐怖心が芽生える。

恐る恐る振り向けば、そこにいたのは――。