「……生まれ変わり?」
――――トシ先輩が、新選組の土方歳三の生まれ変わり?
沖田さんの言葉を直ぐには理解できなくて、思考は一瞬動きを止める。
だけど、沖田さんの顔を見れば――これが冗談ではなく本気で口にしているということは明白で。
「でも……どうして生まれ変わりだって分かるんですか?ただ顔立ちが似ているだけかもしれませんし……そんなにそっくりだったんですか?」
「はい、顔立ちも試衛館時代の――若い頃の土方さんと似ていますし、声質や話し方、歩き方や佇まいも土方さんを彷彿とさせました。ですが一等感じたのは――空気が、土方さんのものでした」
「空気……雰囲気みたいなものですか?」
「そうですね」
ふっと力なく笑った沖田さんは、自分の胸に手を当てて空を見上げる。
「一目見た瞬間に分かりました。魂が……あの人は土方さんなんだって、教えてくれたんです」
夕焼けに照らされた沖田さんの横顔は、思わず見惚れてしまうほどに綺麗だ。
――――だけど、鮮やかな空と相対するかのように、その瞳はどこか悲痛な曇りを帯びている。