壬生寺は昨日と変わりなく、穏やかな空気で満ちていた。
昨日と同じように表門から入って本堂で参拝を済ませた私は、境内にいる人々の中にあの青年がいないかと視線を巡らせる。
視界に映るのは制服姿の女の子たち、仲睦まじい様子の老夫婦、手を繋いで歩く親子の姿……。
どれだけ探しても、あの青年と思しき姿は見つけられない。
――それもそうだよね。二日続けて壬生寺で会えるはずもないか。
会えないことも想定していたとはいえ、やはり残念に思う気持ちが胸を占める。
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