翌週の月曜日は、どうしてもシフトに入らざるを得なくなってバイト先に向かった。ユージさんは来るだろうか。会いたい。だけど、会いたくない。もやもやは取れないまま、いつもの時間がやってきた。
「──今日はいるんだね」
気付けば目の前に、戸惑ったように笑うユージさんが立っていた。
「あ……いらっしゃいませ」
ユージさんは少し考えるように私を見た後、抹茶ミルクタピオカふたつ、と言った。
うまく話すことが出来ない。天気いいですね、とか、この間のすべらない話おもしろかったですねとか。話す内容なんていくらでもあるはずなのに私の唇は上下へばりついてしまったのだろうか。
いつものようにドリンクを作っていく。美味しくなるよう、少し分量を増やして作る。常連の彼だけへの秘密の特別配合。
「お待たせしました」
ふたつのカップをカウンターに置くと、ユージさんはひとつだけを手に取る。そして、もうひとつにぺたりと何かを貼り付けると、眉を下げて笑った。──寂しそうに、笑った。
「またね、タピちゃん」
それが、彼にここで会った、最後の月曜日だった。
「──今日はいるんだね」
気付けば目の前に、戸惑ったように笑うユージさんが立っていた。
「あ……いらっしゃいませ」
ユージさんは少し考えるように私を見た後、抹茶ミルクタピオカふたつ、と言った。
うまく話すことが出来ない。天気いいですね、とか、この間のすべらない話おもしろかったですねとか。話す内容なんていくらでもあるはずなのに私の唇は上下へばりついてしまったのだろうか。
いつものようにドリンクを作っていく。美味しくなるよう、少し分量を増やして作る。常連の彼だけへの秘密の特別配合。
「お待たせしました」
ふたつのカップをカウンターに置くと、ユージさんはひとつだけを手に取る。そして、もうひとつにぺたりと何かを貼り付けると、眉を下げて笑った。──寂しそうに、笑った。
「またね、タピちゃん」
それが、彼にここで会った、最後の月曜日だった。