「メッセージがたくさん来てますね。みなさんいつもありがとうございます!

 ラジオネームキツネ太郎さん。
『当たったらニヶ月ぶりにコタツから出ての外出になります当ててください』

 いやいや、まーだ出てなかったの?ガリガリになる前に出て食べてくださいね。そんでスタジオにも遊びに来てね。ガリガリすぎるリスナーさんは体重測定しますからね!

 ラジオネームカフェ子さん。
『ユージさん初めまして!いつも楽しく聞いています。勇気を出して初めてのメッセージを送っています。友達がユージさんの大ファンなので二人でぜひ行きたいです!当たるように祈っていてください』

 ありがとう!カフェ子さんのお友達が、僕のファンなんだね。ぜひ2人で来てください!待ってます!

 ラジオネームキラキラさん。
『もし当たったら片思い中の彼女を誘ってみようと思います!当たりますように!』

 うおおおおお!やばいめっちゃテンションあがった!それすごい嬉しいですね!初デートがラジオの公開生放送とか粋ですよね!あー本当みなさんに来てもらいたい!」

 カフェ子ってもしかして──。ユージさんの声におや、と首を傾げると思った通り。親友から『初めて送ってみたら読まれちゃった!』と興奮したメッセージが届いた。これでカフェ子も聞き専卒業だ。

 ユージさんに会える。そして、ユージさんだけじゃない。いつもラジオを通して知っている、もしかしたら知られている、リスナーさんたちが同じ空間に集まる。ユージさんの元へ、集まるのだ。これは何がなんでも行くしかない。絶対に、チケットを入手するしかない。

 こうして、BaysideKOKO開局20周年特番のチケット争奪戦は幕を開けたのだった──。