「さて、今夜もお別れの時間が近づいてきたので、最後の一通を読ませてもらおうかな。きっと多くのリスナーさんが待っていたでしょう。ラジオネーム、タピ・オカ子さん。

『ユージさん、それから応援のメッセージをくださったリスナーのみなさん。本当にありがとうございます。まさか、ラジオでこんなに自分の心の内を話せてそして真剣に一緒に考えてくれてアドバイスをもらえる方々に出会えるとは思ってもいませんでした。本当に感動しています。ありがとうございます。この一週間ずっと自分の将来について考えていました。そして、ひとつ、夢が出来ました。もう本当に言葉にするのも恥ずかしいほどの大きな夢なのですが、自分で有言実行にするため、実現のためにここで宣言させてください』」

 じっとユージさんの声に耳を澄ませる。どきんどきんと心臓は口から飛び出そうなくらいに跳ね上がっている。

 あれからずっと考えてきた。すきなもの、なりたいもの、楽しいこと。考えても考えても、どうしても行きつく先はユージさんだった。それじゃあ彼の何にそんなに惹かれるのか、考えてみて分かったことがある。

 彼の “人と人を繋ぐ力” に私は一番惹かれているのだと。ユージさんみたいな人になりたい。あんな素敵な、人になりたい。

「『私、ラジオのパーソナリティを目指します。必ず、パーソナリティになって、いつかユージさんと共演したいと思います』」

 ああ、読まれてしまった。送っておきながら、読まれたことにドキドキしてしまって、そして途端に不安になった。調子のるなとか思われてしまったらどうしよう。ユージさんは、そんなに甘くないとか言うかもしれない。思わずぎゅっと視界をふさぐ。するとラジオからふっと優しく笑う声が聞こえた。

「タピちゃんと共演できる日──俺、楽しみにしてるよ」

 今までで一番大きな音をあげて心臓が鳴った。

 だって、だって──ユージさんはいつだって自分のことを“僕”と呼ぶ。それなのにいま、彼は確かに“俺”と言ったのだ。そこに、DJユージではないひとりの男性としてのユージさんを感じてしまって、体中の血液が一気に沸き立ってしまったのだ。

 ──番組直後、私はついに熱を出した。