あの月曜の夜を機に、私は変わった。ユージさんが、大丈夫だと言ってくれたあの夜から。
まだ自分のやりたいことは見つかっていない。だけど、それでもいいのかもしれないと思えるようになった。正体の分からない、クラクラとした迷いが消えたのだ。そのためだろうか、面接でも堂々と答えられるようになってきた。取り繕うのではなく、素直に、正直に。
何がしたいですか?と聞かれたら、まだ分かりませんと顔を上げて答えることが出来るようになった。いぶかしげな顔をする面接官もいれば、ほお、と興味深そうに頷く面接官もいた。そんな風に面接官の表情を見ることが出来るようになった。これは私にとってすごく大きな進歩だ。それまでは面接官の顔なんて、きちんと見る余裕もなかったのだから。
社会人になって何がしたいかまだ分からない。だから、それを見つけていきたい。今から見つけたって遅くはないはずだ。
改めて自分のすきなものを、ひとつずつノートに書き出してみる。チョコレート、ねこ、ラジオ、話をすること、話を聞くこと、マンガ、音楽、旅行、タピオカ、赤飯……それから、ユージさん……。うん、ユージさんだ。今私が一番すきなのはユージさん!!赤ペンでぐるぐるとユージさんという文字を囲む。いや、そういうことじゃないというのは分かっている。そうなんだけど。好きという気持ちがどんどん大きくなって、どうしようもない。そこから仕事に結びつけるというのはなかなか難しいものだ。それでもやっぱり、好きと言えばユージさん!となってしまうのだから、私は一度、頭から水をかぶった方がいいのかもしれない。
そんなある日。番組内であるメッセージが紹介された。
「ラジオネームキラキラさん。メッセージありがとうございます!
『ユージさんこんばんは!今日はいつもの恋の話ではなく、タピ・オカ子さんに伝えたいことがあってメッセージを送ります』」
ラジオから聞こえてきた言葉に肩が揺れる。キラキラさんが、私に?
キラキラさんとは、このラジオのヘビーリスナーである。私もキラキラさんも、多分同じころからこの番組にメッセージを送るようになったのだと思う。お互いに何度かメッセージを読まれているためラジオネームくらいは知っている。あのお店の女の子に恋をしているキラキラさんでしょ?しかし今まで、直接やりとりをしたことなんかもちろん一度もない。そんなキラキラさんが、私に伝えたいことがあるなんて。
どきどきと心臓が鳴り出した。
まだ自分のやりたいことは見つかっていない。だけど、それでもいいのかもしれないと思えるようになった。正体の分からない、クラクラとした迷いが消えたのだ。そのためだろうか、面接でも堂々と答えられるようになってきた。取り繕うのではなく、素直に、正直に。
何がしたいですか?と聞かれたら、まだ分かりませんと顔を上げて答えることが出来るようになった。いぶかしげな顔をする面接官もいれば、ほお、と興味深そうに頷く面接官もいた。そんな風に面接官の表情を見ることが出来るようになった。これは私にとってすごく大きな進歩だ。それまでは面接官の顔なんて、きちんと見る余裕もなかったのだから。
社会人になって何がしたいかまだ分からない。だから、それを見つけていきたい。今から見つけたって遅くはないはずだ。
改めて自分のすきなものを、ひとつずつノートに書き出してみる。チョコレート、ねこ、ラジオ、話をすること、話を聞くこと、マンガ、音楽、旅行、タピオカ、赤飯……それから、ユージさん……。うん、ユージさんだ。今私が一番すきなのはユージさん!!赤ペンでぐるぐるとユージさんという文字を囲む。いや、そういうことじゃないというのは分かっている。そうなんだけど。好きという気持ちがどんどん大きくなって、どうしようもない。そこから仕事に結びつけるというのはなかなか難しいものだ。それでもやっぱり、好きと言えばユージさん!となってしまうのだから、私は一度、頭から水をかぶった方がいいのかもしれない。
そんなある日。番組内であるメッセージが紹介された。
「ラジオネームキラキラさん。メッセージありがとうございます!
『ユージさんこんばんは!今日はいつもの恋の話ではなく、タピ・オカ子さんに伝えたいことがあってメッセージを送ります』」
ラジオから聞こえてきた言葉に肩が揺れる。キラキラさんが、私に?
キラキラさんとは、このラジオのヘビーリスナーである。私もキラキラさんも、多分同じころからこの番組にメッセージを送るようになったのだと思う。お互いに何度かメッセージを読まれているためラジオネームくらいは知っている。あのお店の女の子に恋をしているキラキラさんでしょ?しかし今まで、直接やりとりをしたことなんかもちろん一度もない。そんなキラキラさんが、私に伝えたいことがあるなんて。
どきどきと心臓が鳴り出した。