読まれた……。

 ラジオネームキラキラさん、という言葉が聞こえた瞬間、心臓がどきどきと大きな音をたてる。ついさっき自分の書いた文章が、そのままパーソナリティの声を通してラジオから流れてくる。
 これって、すごく興奮する!
 こういうことなのか──これは確かにすごい興奮するし、すごい嬉しくて、そして楽しい。さらに、そのあと複数のリスナーさんからも俺へのアドバイスや応援メッセージが届いたらしく、ユージさんがそれも紹介してくれた。

 なんなんだ……ラジオって……すげえ!!

 そしてやはり、このパーソナリティの人となりも大きく影響しているのだろう。この人の番組だからリスナーも優しいひとたちが多いのかもしれない。類は友を呼ぶってよく言うじゃないか。今までもリスナーのメッセージへの受け答えで、いい人なんだろうなとは思っていたが、自分が送り主になってみて改めて思った。適当に流したり答えたりせずに、しっかりと会話するように向き合ってくれている。
 そういえばどんな顔をしているのだろうと思ってHPでプロフィールを見てみる。ズラリとパーソナリティの顔写真が並ぶ中、DJユージの欄には、ヘタクソな子供が描いたような笑顔のイラストがのっているだけ。自画像ってか?変なやつだな。思わず笑いがこぼれた。

 それから、毎週ではないものの、送るネタが思いついたときには気軽にメッセージを送るようになった。それはもちろん、読まれることもあったり、読まれないこともあったり。けれど、以前よりも何倍も何百倍も楽しく聴けるようになったのは間違いない。

 今は色々なメディアがあって、ラジオが大好きだというひとは自分の周りにもそんなには多くない。正直俺だって、ラジオと言うと少し古臭いとか、マニアックだとか、そんなイメージを持っていた。けれど今なら分かる。この楽しさを知っているひとたちは、ラジオにしかないこの繋がりのようなものの虜になるのだ。インターネットで簡単に誰とでも直接に繋がれてしまうこの時代。そんな時代だからこそ、パーソナリティを介して繋がる不思議な輪のようなものに、ほどよい距離感でのこの空間に、リスナーたちは心地よさを覚え酔いしれるのだ。