初めて番組を聞いてから3か月くらいが経った頃だと思う。ふと、自分もメッセージを送ってみたいと思った。スマホで番組名を検索すれば、一番トップに公式サイトが現れた。ラジオのホームページとはこういう仕組みになっているのか。今現在オンエアされている番組と流れている曲、担当パーソナリティの名前が左上に出ていて、その下にメッセージフォームのボタンが設置されている。
ほう、住んでいるところとラジオネーム、それからメッセージという流れらしい。読まれると抽選で番組ステッカーがもらえるようだから、本名と住所、電話番号を入れる欄もあった。ラジオネーム(RN)はあくまでも、番組内で呼ばれる時のものだ。
メッセージはすんなりと書くことができた。それでもなかなか送信ボタンを押せなかったのは、大きな難関があったからだ。それは、ラジオネーム。番組内でのニックネームみたいなものだ。ラジオを聴いていれば、このラジオネームというものはたくさん聞くけれど、みんな個性的なラジオネームを名乗っていて感心してしまう。よく思いつくよな。多分脳みその構造が違うんだと思う。──俺はどうしようか。
すこし考えてみて、フロントガラスから空を見上げる。駐車場のオレンジ色の外灯が、ぼんやりとガラスに反射する。その上には、ほんのすこし、星が光を放つのが見えた。もしかしたら街灯も何もないところにいったら、今夜は満天の星空が見えるのかもしれないなあと、そんなことが頭をよぎった。そのときに、ひとつの単語がぽんと頭に浮かんだのだ。まあおもしろみはないけど、本名ともリンクするし、シンプルでいいかな。まず読まれるかも分からないし。そうやって俺はラジオネームの欄に、浮かんだその言葉を打ち込んだ。
別に相談なんて、そんな重いもんじゃないんだ。だけど、話のネタのひとつとして、もし取り上げてもらったら俺も楽しい。そんな軽い気持ち。深呼吸と共に送信ボタンをタップして、それから俺はエンジンをかけた。ひんやりと冷えたハンドルから伝わるエンジン音。そこに重なる心臓の音。読まれるって決まったわけでもないのに、この昂揚感はなんだろう。そうして俺は、カーステレオのボリュームをあげた。
ほう、住んでいるところとラジオネーム、それからメッセージという流れらしい。読まれると抽選で番組ステッカーがもらえるようだから、本名と住所、電話番号を入れる欄もあった。ラジオネーム(RN)はあくまでも、番組内で呼ばれる時のものだ。
メッセージはすんなりと書くことができた。それでもなかなか送信ボタンを押せなかったのは、大きな難関があったからだ。それは、ラジオネーム。番組内でのニックネームみたいなものだ。ラジオを聴いていれば、このラジオネームというものはたくさん聞くけれど、みんな個性的なラジオネームを名乗っていて感心してしまう。よく思いつくよな。多分脳みその構造が違うんだと思う。──俺はどうしようか。
すこし考えてみて、フロントガラスから空を見上げる。駐車場のオレンジ色の外灯が、ぼんやりとガラスに反射する。その上には、ほんのすこし、星が光を放つのが見えた。もしかしたら街灯も何もないところにいったら、今夜は満天の星空が見えるのかもしれないなあと、そんなことが頭をよぎった。そのときに、ひとつの単語がぽんと頭に浮かんだのだ。まあおもしろみはないけど、本名ともリンクするし、シンプルでいいかな。まず読まれるかも分からないし。そうやって俺はラジオネームの欄に、浮かんだその言葉を打ち込んだ。
別に相談なんて、そんな重いもんじゃないんだ。だけど、話のネタのひとつとして、もし取り上げてもらったら俺も楽しい。そんな軽い気持ち。深呼吸と共に送信ボタンをタップして、それから俺はエンジンをかけた。ひんやりと冷えたハンドルから伝わるエンジン音。そこに重なる心臓の音。読まれるって決まったわけでもないのに、この昂揚感はなんだろう。そうして俺は、カーステレオのボリュームをあげた。