「タピ子……」
彼女は両手を胸の前で組んだ。
『……というわけで、なんと今夜はミッドナイトスターと言えばこの方!伝説のDJユージさんが遊びに来てくださいました!』
タピ子ちゃんの元気な声が響く。ふっと隣でカフェ子の肩の力がぬけたのが分かった。
『いえいえ、伝説なんて。それよりもDJタピーさん、初の冠番組おめでとうございます!』
ああ、懐かしい。懐かしいDJユージさんの声だ。彼の声が聞こえた瞬間、忘れていたはずのあの頃の記憶の引き出しがぱたんぱたんとせわしなく開いては、いろいろな場面が頭の中を駆け巡っていく。
『ありがとうございます!というか、ユージさんが帰ってきたのなら、私はメインパーソナリティ降りるべきなのでは?』
『いやいや!僕はもうここは卒業した身ですから!それにリスナーのみんなだって俺よりも若くてかわいいDJタピーの声のがいいでしょ』
ふたりはジョークを交えながら軽快にトークを進める。笑いながら話している。DJユージさんと、タピ子ちゃんが。その様子を見ることは出来ないのに、俺の脳裏には笑いあうふたりが鮮明に浮かび上がって思わず目頭を抑えた。
「ウッ……ウッ……」
我慢しているのに嗚咽が漏れると、彼女がはあ!?とこちらを向く。そんな彼女の目にも涙が浮かんでいるじゃないか。
「……泣いてもいいけど声我慢してね。聞こえないから」
彼女はそう言うと、優しく俺の手を取った。
彼女は両手を胸の前で組んだ。
『……というわけで、なんと今夜はミッドナイトスターと言えばこの方!伝説のDJユージさんが遊びに来てくださいました!』
タピ子ちゃんの元気な声が響く。ふっと隣でカフェ子の肩の力がぬけたのが分かった。
『いえいえ、伝説なんて。それよりもDJタピーさん、初の冠番組おめでとうございます!』
ああ、懐かしい。懐かしいDJユージさんの声だ。彼の声が聞こえた瞬間、忘れていたはずのあの頃の記憶の引き出しがぱたんぱたんとせわしなく開いては、いろいろな場面が頭の中を駆け巡っていく。
『ありがとうございます!というか、ユージさんが帰ってきたのなら、私はメインパーソナリティ降りるべきなのでは?』
『いやいや!僕はもうここは卒業した身ですから!それにリスナーのみんなだって俺よりも若くてかわいいDJタピーの声のがいいでしょ』
ふたりはジョークを交えながら軽快にトークを進める。笑いながら話している。DJユージさんと、タピ子ちゃんが。その様子を見ることは出来ないのに、俺の脳裏には笑いあうふたりが鮮明に浮かび上がって思わず目頭を抑えた。
「ウッ……ウッ……」
我慢しているのに嗚咽が漏れると、彼女がはあ!?とこちらを向く。そんな彼女の目にも涙が浮かんでいるじゃないか。
「……泣いてもいいけど声我慢してね。聞こえないから」
彼女はそう言うと、優しく俺の手を取った。