私立の高校に通う私、杉浦真帆は、物理の先生に一目惚れをした。

スラッとした体に白衣を纏うだけでもかっこよさ三割増だと思うのに、優しい声に優しい笑顔の梶先生。

初めて見た時ズギュンって音がぴったりだと思うほど、私の胸は撃ち抜かれた。

私が高校一年のときに先生は二年目という新米教師だった。理系なんて全然好きじゃなかったのに、梶先生の授業は引き込まれる魅力がある。

大抵は教室で教科書に添っての授業だが、たまに実験室での授業もある。

試験管やビーカーに実験室のちょっとほこりっぽいにおい。いつもと違う空気の中、その時の梶先生は白衣で現れる。実験のときだけ見られる貴重な姿だ。

それがとんでもなく似合っていてとんでもなくかっこいい。盲目と言われようが、素敵なんだから仕方ない。

だから実験の日は好き。
かっこいい梶先生が見られるんだもん。