先生という職業は続ければ続けるたび教え子がたくさんできる。時々の近況報告や年賀状などをもらうと、嬉しいなと感じるのは教師の性だろうか。

たまにクラス会に招待されてありがたく参加させてもらうと、社会人として様々な分野で活躍している教え子たちが本当に誇らしく思うものだ。印象に残っている生徒から、申し訳なくも記憶の薄い生徒まで、やはり元気な姿を見るのは喜ばしい。

女子校の教師として普段女子学生を相手に仕事をしている俺だが、自分の娘の扱いは下手くそだ。5歳児と16、7歳の学生とは全然違う。当たり前と言えば当たり前なのだが、父親としての威厳だとか、子供(実際は学生だけど)相手のプロだとか、そんなのはまったく役に立たない。

今目の前にいる娘は何が気に入らなかったのか、急に癇癪を起こして泣き叫び手がつけられないのだ。

俺の無力さに、風呂から上がった妻が呆れた顔をするのも無理はない。