そのまま喫茶店から出ると俺達は、別々に帰った。
最後になって少し微妙な雰囲気になってしまったが
これは、仕方がないよな。

この後にまどかのお母さんから電話が来る。
そして……聞かされる。
俺は、自宅に急いで帰った。

「ただいま…」

『お帰りなさーい。龍心ちゃん。
初デートどうだったの?
上手くエスコート出来た?
まさかキスなんかしちゃったりしてキャーッ!!』

部屋に入るなりテンションの高い
鈴木さんが迎えてくれた。
何で、こんなにテンションが高いんだ……?

『おい。オカマ。
1人で言って勝手に盛り上がってんなよ!?
疲れただろ…?龍心』

清水さんがツッコミながらも俺を気遣ってくれた。
うん、少しね。でも楽しかったよ!
苦笑いしながら答えると
ゆいかちゃんは、俺の足元まで来る。

『お帰りなさい。お兄ちゃん
私、いい子にして待っていたよ!』

そう言いながらゆいかちゃんは、
今回お留守番してくれていた。
鈴木さんに影響されてか気遣ってくれたようだ。

あぁ、いい子だったね。
そんなゆいかちゃんに苺のお土産だ。
後で食べさせてあげるからね。
ニコッと微笑むと頭を撫でてあげた。

『わぁーい。私 苺大好き』

嬉しそうにはしゃぐゆいかちゃんだった。
可愛いな……本当に。しかし、どうやら
苺をあげられるのも今日で最期になりそうだ。
伝わってくる。

まどかが、母親の電話でゆいかちゃんの
存在に気づいた。
そして……妹の霊感にも

『お兄ちゃん……?』

『あら、どうしたの?龍心ちゃん』