どこか悲しそうな目で見つめてくるので
ドキッとさせられる。
課長……?

「ヒントをあげよう。
君が大好きだったからこそ叶えたかった願い。
その存在が君に大きく影響を与えたのだろう」

私が大好きだったからこそ…?
それが、何故私に影響を与えるって事になるのよ?
むしろヒントになっていないと思う。

「俺が与えられるヒントは、ここまでだ。
これ以上は、君のためにならないし意味がない。
ただ繋がりを忘れるな」

「……。」

意味が分からない。なのに何だか胸の辺りが
ズキッと痛みだした。
繋がり……か。

結局、答えが分からないまま自宅に帰った。
ベッドにダイブするが
気持ちは、モヤモヤしたままだ。
楽しかったはずなのに気分は晴れない。

「課長の意地悪……」

モヤモヤさせるぐらいなら
もう少し分かりやすくヒントをくれたらいいのに。
ハァッ…とため息を吐いた。
するとスマホが突然鳴り出した。

一瞬ビクッと肩が震えた。
誰なの?慌ててスマホを取り出して見た。
着信相手は、実家からだった。
何の用だろうか?
不思議に思い電話に出てみた。

「もしもし…お母さん?」

『まどか。元気にしてる?
たまには、連絡ぐらいしなさいよ』

「ごめん。仕事が忙しくてなかなか出来なかったわ。
元気にしてるわよ」

就職して一人暮らしを始めてから
連絡するのを忘れていた。
仕事もだけど色々と刺激的だったから余計に
頭に入っていなかった。

お母さんは、心配そうに
『それならいいけど、会社の人に迷惑かけていない?
あんた、トロいから』と言ってきた。