それからも一緒に食べるのだが、
甘そうな苺や大きな苺を見つけると
私に優先的に食べさせてくれた。
課長にとったら私は、
どんな風に映っているのだろうか?

お寺に来る子供達と一緒?
それとも……。
少しでも同じ気持ちで居てくれたらいいのに
そう思いながら自分の穫った苺を食べる。

「甘い……」

するとその時だった。
隣で食べていた小さな女の子が
「ママ~あのお姉ちゃん。
大きいのに苺食べさせてもらってるよ?
赤ちゃんみたい」とこちらを見て指差してきた。

赤ちゃん…!?
自分のしている事が恥ずかしくなる。
えっ?そんなに変かしら……私って
オロオロしていると課長は、ニコッと女の子に
笑顔を向けると腰を屈めた。

「違うよ!お姉ちゃんと仲良しだから
食べさせてあげているんだ」

「何で?仲良しなら食べさせるの?」
 
不思議で仕方がない小さな女の子。
すると課長は、女の子に苺を一口食べさせた。

「こうやってあげると嬉しくなるからだよ。
苺美味しいだろ?」

ニコッと笑いかけると小さな女の子は、
苺を食べながらコクリと頷いた。

「美味しい……」

そうしたら、その子の母親が気づき慌てて
こちらに来て謝っていた。
課長は、笑顔で笑うと女の子の頭を撫でてあげた。
私は、その姿を見て感心する。

さすがお寺で子供達の相手をしているだけあって
子供の扱いに慣れている。
凄いなぁと思った。

「あの……課長……」