課長は、周りを見渡しながら苺を1個穫る。
そして食べた。
「うん、甘くて美味しい。
ほら、まどかも食べてみるといいよ。あーん」
そう言って私に食べさせてくれようとした。
えぇっ!?食べさせてくれるの?
課長の手から……ど、どうしよう。
「まどか?どうしたんだ?」
不思議そうに首を傾げながら
苺を私の口元に持ってくる。
心臓がドキドキと高鳴ってしまう。
うぅっ……戸惑いながらも苺を食べた。
あ、美味しい。甘くて口の中が広がる。
苺が大好きな私は、幸せな気持ちになった。
「美味しい……です」
「だろ?やっぱり苺は、甘くて美味しいよなぁ~」
頬が火照りながら感想を言うと
課長は、ニコッと笑い苺をまた食べていた。
まさか課長に食べさせてくれるとは……。
でも、何だか慣れているような?
「あの課長。こういうの慣れているのですか?」
もし慣れてるとしたら昔の彼女とか?
そう考えると胸がズキッと痛んだ。
「うん?あぁ、お寺に来る子供達にね。
はい、まどか」
課長は、ニコッと微笑んだ。
私は、戸惑いながらもまた、食べさせてもらう。
何だ……お寺に来る子達にか。
しかし安心したのは、いいが……恥ずかしい。
お礼言うと課長は、ニコニコしながら
自分のを食べていた。
こんな事をやっていると本当に恋人同士みたいだ。