私は、それから日曜日に向けて新しい服を購入したり
メイク雑誌を買って研究してみた。
せっかく行くなら少しでもよく見せたいと
思うのが女心だ。

これで良し。
課長……どんな格好で来るのかしら?
私服よね?スーツに袈裟姿しか見たことないから
新鮮な気がする。ハァー早くその日が来ないかな。
ドキドキしながらその日を待ち望んでいた。

そして待ちに待った運命の日曜日。
気合いを入れて準備をした。
白のワンピースにデニム生地の上着を羽織っている。
メイクも何とか雑誌を真似してやってみた。

そして待ち合わせ場所のバス停に向かった。
課長は、すでに来ていたようだ。
スーツでも住職の格好でもない。
私服姿の課長は、思った以上にお洒落で
カッコ良かった。
思わず見惚れそうになるが慌てて向かった。

「おはようございます。
お待たせして、すみませんでした」

「おはよう。まどか。
おや、今日のまどかお洒落だね。
よく似合っている」

するとさらりと褒めてくれた。
思わず照れてしまうが褒めてくれて嬉しかった。
ってか似合うって……。
心臓がさらにドキドキと高鳴ってしまった。

そしてドキドキしながら課長の隣でバスを待った。
チラッと周りを見ると家族や女性同士や
カップルがたくさん居た。
こう見ると私達って恋人同士に見えるのだろうか?
まぁ、まさか上司と部下に見えないだろうな。
しかも苺狩りだし。

フフッ……と照れているとツアー用の大型バスが来た。
バスの中からバスガイドの女性が降りてくる。
「お待たせしました。苺狩りツアーに
参加予定の皆様」と言って挨拶してくれた。

バスの中に入ると課長と隣同士に座る。
何だか心臓がドキドキしたり
わくわくしたりして忙しかった。

人数が揃うとバスは、走りだした。
バスガイドが詳しく説明してくれたのだが
この苺狩りは、苺がメインだが
その他に豪華な昼食が楽しめるらしい。
楽しみだ。

「楽しみだな。まどか」

課長が私を見て笑いかけてくれた。
私は、笑顔で返事した。
バスは、しばらくすると高速道路を走り私達は、
苺狩りの場所に向かった。

周りも楽しそうに会話が弾む。
私は、隣に居る課長を気にしながら
窓の外を見ていた。
しばらくして綺麗な景色が見えてきた。

「ここの景色は、眺めがいいですよねぇ~」