「言い訳は、それだけか?と言う意味です。
あなたは、自分の罪を認める所か
美里さんのせいにした。
それは、謝罪をする気もない上に相手に対する侮辱。
仏の前にしても同じ事をあなたは、やれますか?」
ジロッと睨みつけるようにその男を見る。
俺の目を見て一瞬ビクッとする元カレだったが
すぐに鼻で笑いだした。
「はぁっ?何が仏だよ?
馬鹿じゃねぇーの。コイツ。
神か仏か知らないけど、そんなの
俺の知ったこと……ぐっ!?」
「課長!?」
俺は、彼が言い終わる前に顔を手で掴んだ。
まどかが、驚いて俺の名を叫んでいたが
やめるつもりはない。
「は、離せ…何をするんだ!?」
「……自分の罪は、自分自身で償え」
そう言った瞬間元カレは、ガクッと力が抜け
手を離したら尻餅をついていた。
俺の霊力を少し与えた。
するとボー然としていた元カレは、
見る見る内に真っ青になりながら怯えだした。
「な、何だよ…これ!?
やめろ…近づくんじゃねぇーよ!!」
尻餅をつきながらも必死に後退りする。
その原因は……鈴木さんだ。
鈴木さんの猛烈アピールが始まった。
『あら、近づくなって失礼しちゃう。
人を化け物みたいに。
それより~よく見てみるとあなた。
なかなかのイケメンじゃないの?
あら、どうしましよう。
よかったら一緒にお茶でもどうかしら?
甘いの好き?あぁ、でも……男の子なら
お酒の方がいいかしら?」
『ねぇ、ちょっと聞いているの?
あなた龍心ちゃんの霊力を分けて貰ったのなら
見えるはずよ!
もう……いけ好かない男ね。
いいわ。お姉様がしつけてあ・げ・る』
「ひぃぃ…助けてくれ!?」
『ちょっと逃げないでよ!?
お待ちになって~マイ・ダーリン』
慌てて逃げ出してしまう元カレ。
鈴木さんは、それを追いかけて行ってしまった。
それを見ていたまどかと美里さんは、
唖然としていた。無理もない。
異常な光景に見えただろうから。