彼女は、それを聞いて驚いていた。
まぁ驚くのも無理はない。

「み、美里に何が!?」

「ただ霊ではない分……厄介だな。
いいか?自宅に帰ったら
必ず彼女に電話をするんだ!
そして、俺が協力すると伝えてくれ」

真剣な表情で彼女に伝えた。
それが美里さんを守る事になる。
まどかは、困惑していたが俺は、細かく指示を出した。
犯人は、美里さんの元カレだ。
自意識過剰で自分勝手な性格でフラれたのを
逆恨みしている。

まったく、勝手な男だ。
犯行をする際にミスをしていた。
それを含めてアドバイスする。

なるべくなら俺がついて行ってあげたいが
仕事の後に檀家さんの法事があった。
こんな時に法事とはツイていない。

仕方がなくアドバイスだけして
仕事と法事を早めに終わらせるように
段取りよく進めた。
そして法事が終わると急いで
美里さんのアパートに向かった。

不安になっている2人が見えてきた。
急がないと…。すると向こうから

『あ、居た、居た。龍心ちゃーん!!
良かった…間に合ったわ。
ねぇ、今から行くのでしょ?』

鈴木さんがこちらに向かってきた。
良かった……間に合ったみたいだ
あぁこれから向かう。悪いけど
計画通りに頼むよ。鈴木さん。

『任せてちょうだい。楽しみだわ
いい男に会えるのが』

鈴木さんだけは、楽しんでいるみたいだ。
そのまま美里さんの住んでいるアパートに向かった。
着くとまどかが、俺に気づいてくれた。

「あ、課長!!」

「悪い。遅くなった。大丈夫か?」