『へぇ~でも、それだと意味ねぇーじゃん。
せっかくなら2人きりにならないと』

そう言ってくる清水さんだが。
いや。途中で、彼女の友人の美里さんが
気を遣って帰ってくれたんだ。
俺は、部屋に行くと背広を脱ぎながら答えた。

『美里?あぁ…彼女とよく一緒に居た子ね?
なかなかやるじゃないの。その子。
でも、だからと言って油断したらダメよ?
次のデートに取り付けなくちゃあ!!』

鈴木さんは、そう言ってきた。
鈴木さんは、何度か彼女を見に行ったことがあるため
2人のことは、知っていた。
次のデートか……。

『女は、強引な男に弱いものよ?
押して押して、押しまくれば龍心ちゃんなら
相手をイチコロに出来るはずよ』

確かに何もしないと距離が縮まらない。
そういえば2人を見た時にデートが
どうのとか電話で話し合っている姿が見えた。
今頃……その話をしているのだろう。

俺も彼女とデートをしてみたい。
なら俺から動かないといけないよな。
鈴木さんならいいアドバイスをしてくれるだろうと思い
相談してみることにする。

「あのさ…鈴木さん。
デートに誘うとしたら何処にすればいいだろうか?』

『あら、やっとその気になってくれた!?
場所なら私に任せて』

そう言うといそいそと押し入れに入って行く。
すぐに戻ってくると
『これよ、これ。デートに行くのなら
女の子の好きな場所にしなくちゃあ。
この苺狩りなんてどうかしら?』と
日帰り旅行のチラシを見せながら言ってきた。

苺狩りか……。
俺も好きだな。苺とか果物が。
同じ物が好きならいいかもしれないな。

『ここのツアーなんてお薦めよ。
苺食べ放題の上にお昼は、豪華な料理が付いてくるの。
お値段もリーズナブルなんだから』

へぇ~それは、いいな。
これなら彼女も喜んでくれそうだ!
すると横で聞いていたゆいかちゃんが

『お姉ちゃん苺好きだよ!
私も苺好き』と言って教えてくれた。
フフッ……そうみたいだね。