「でも、食堂でお昼一緒に食べる事はあるし…」

「食堂では話しにならないわよ!?
ムードが大事よ。ムードが!!
課長さんは、彼女とか居ないのでしょ?
なら、誘えば食事ぐらい付き合ってくれるでしょ?
それぐらい」

食事か……誘ったら一緒に行ってくれるのだろうか?
いや、それ以前に住職としての仕事があるし
何より課長は、彼女が居るのかも分からない。
直接、確かめた事もないし……。

「彼女居るのか分からないし
それに誘っても住職としての仕事があるだろうし」

「あんた…何さっきから弱気になっているのよ?
もう……やる前から諦めてどうするの。
誘うだけ誘ってみなさい。
無理なら読んでもらいなさい。えっと…課長さん。
千里眼だっけ?あるのでしょ」

逆に怒られてしまった。いやいや。
そのために私の心の中を読んでもらうなんて
出来ないわよ!?
思い出しただけでも頬が熱くなってしまう。

「読んでもらうなんて……出来ない。
恥ずかしいじゃない」

「もう…まどかったら
でもさ~あんたの会社凄いわよね。
上司が人間離れしているなんて」

美里は、感心したように言った。
人間離れって……まぁ確かに課長の能力は凄い。
それは、もう度々驚かされてばかりだ。

「私も会ってみたいなぁ~その課長さんに」

「えっ?美里が?」

「だって面白そうじゃない。
まぁ、機会があったら作っておいて。
付き合いだしてからでもいいから
その時にでも紹介してよね?」

クスクスと笑いながらそう言ってきた。
もう…美里ったら。
ムスッと頬を膨らました。
からかわれてしまったようだ。

でも一緒に食事に行ってみたいなぁと思った。
いつか食堂ではない違うお店で……。