彼女が居たから私は、イジメられても
学校に行けたのだろう。
そんな彼女だからこそ課長の事を知って欲しかった。
『まどかが、恋か~良かったじゃない。
その課長さんなら、あなたの体質も
受け入れてくれるだろうし』
「そうなんだけど……」
『何か不満なの?』
「ううん。逆…私には勿体ないような気がして。
だって…能力には、驚かされたけど
凄くカッコよくて優しいし」
あんなカッコよくて部下に信頼が厚いのなら
さぞかしモテモテだろう。
私なんかが相手にしてくれるのか分からない。
そう思うと胸が締め付けられそうだった。
『弱気ねぇ~相変わらず。
そんなのは、押して押して押しまくるのよ!
あ~もっと話がしたい。まどか。明日にでも会えない?
就職でバタバタしてたから
なかなか会えなかったけど少し落ち着いた?』
久しぶりのお誘いが来て嬉しく思う。
私もたくさん話がしたい。
私達は、明日の夜に会う約束をした。
翌日の楽しみが出来た。
そして翌日の朝。会社に行くと課長は、
相変わらず早く出勤していて
部下達の悩み相談を聞いてあげていた。
どうやら心霊写真についての相談のようだ。
「これ…娘の友達が撮った写真なんだけど。
ほら、ココに顔みたいなのがあるのよ…もう怖くて」
「どれどれ。なるほど…これは、浮遊霊ですね。
危害は、ありませんし心配はいりませんよ。
ただどうしても心配なら除霊しますが
どうしますか?」
「本当?なら、ぜひお願いします」
年配の女性社員は、喜んで頼んだ。
課長は、数珠とロウソクなどを取り出した。
そうしたら周りが騒ぎ出した。
「ちょっと、課長が除霊を始めるわよ!?」
「大変。早く出勤するように言わなくちゃあ」と
慌てて電話をする人まで現れた。