麻衣ちゃんの記憶から辿った3人のイジメっ子達。
楽しそうにカラオケで盛り上がっていた。
人を死に追い込んでおいて…なんて酷い事だ。
理不尽な行動に呆れてしまう。
「それは…?」
「彼女の私物だ。自殺したビルの屋上で見つけた。
自殺や事件が遭った場所の私物は、
霊の念が籠もっている。本来なら
持ち帰らない方がいい。だが、これを持つ事で
動けない彼女も移動が出来るようになる」
死んだ人の私物は、その人の想いが詰まっている。
だから下手に持ち帰らない方がいい。
私物と一緒に想いだけではなく持ち主も
憑いて来てしまうから。
浮遊霊は、それを頼らなくても
自由に動けるが地縛霊は、
その場から動けないから…それを頼りにしてしまう。
するとそれを聞いたまどかは、真っ青な表情に
なってしまった。
「課長。まさか今、近くに居るのですか!?」
「あぁ、俺の真後ろに居るぞ。
謝らせるのに近くて見届けてもらわないと
意味がないだろ?」
そう言いながらチラッと後ろを向いた。
麻衣ちゃんは、オロオロしながらも
頬を赤らめて下を向いてしまった。
フフッ……照れている。
俺は、クスクスと笑いながらまどかを見ると
さらに真っ青な表情になっていた。
あ、真逆だ!!
「真っ青だけど大丈夫か?心配するな。
麻衣ちゃんは、根は大人しくていい子だから」
しかしまどかは、横に首を振った。
怖くて想像したくないらしい。
本当に怖がりだなぁ……と思った。
しかしそんなことを考えている内に
カラオケ店に着いてしまった。ここか……。
俺は、ドンドンと中に入って行く。
あるドアまで行くと「ココだ!」だと
まどかに教えた。
「ココに…イジメっ子達が?」