「私が悪いんです。早く…イジメに
気づいてあげられなかったから
自殺をさせてしまったんです」
自殺の原因は、イジメ……。
思わず高校の時の事を思い出してしまう。
この体質のせいで学校でイジメにあった。
体調を崩しやすくなった頃で
プリクラや写真を撮ると何故だか
心霊写真っぽくなってしまう。
そうしたら、友達だと思っていた子達に
不気味だからという理由で
仲間はずれにされるようになった。
気づいたら1人ぼっちになっていた。
「いえ。家族に迷惑をかけたくなかったみたいですよ。
ただイジメた人間だけは、許せず憎しみ続けて
地縛霊になってしまいました。
すでに、悪霊近くになっていて大変な事態でした。
説得して気持ちを改めて頂きましたが
成仏は、まだ出来ていません」
課長は、詳しく説明した。
悪霊近く!?しかもまだ成仏出来ないなんて
私も奥さんも驚いてしまった。
「地縛霊!?そんな……。
娘をどうしたら救ってあげられるのですか!?」
奥さんは、必死に助けを求めてきた。
大切な娘さんが自殺をして地縛霊になったと聞いて
かなりショックを受けていた。
「原因を取り除いてあげる事です。
そのために…すみませんが
娘さんをあのイジメた子達に会わせたいと思います。
許可をしてもらえないでしょうか?」
「会わせるって?
会わせてどうする気なんですか!?」
「謝らせるのです。これぐらいの事をしないと
娘さん自身も納得が出来ないのでしょう。
娘さんもそれを強く望んでいます」
課長……。一体何をする気なのだろうか?
その子達を謝らせるって本気なの?
謝れと言われてもちゃんと謝るなんて思えないのに
私は、不安になりながらもオロオロして見守っていた。
「……娘を……麻衣をよろしくお願いします」
奥さんも納得したのか深々と頭を下げてきた。
この事は、課長に任せると承諾してくれた。
どうしても娘を救いたいと思ってのことだろう。