私は、不思議に思っていると
前の席に座っていた中年女性が声をかけてきた。
「あぁそれは、課長には不思議な力があるからよ。
透視能力って言うの?
ほら、今流行りのスピリチュアルみたいなのが
出来るから」
スピリチュアル!?
スピリチュアルって人からオーラが見えたり
霊視をしたりする……あれ?
「色々説明する前に理解をしてくれたり
言い当ててくるから不思議なのよねぇ~あ、それより
日比野さん。営業に行くわよ?
私があなたの指導担当なんだから」
「えぇっ~!?」
日比野さんは、嫌そうな表情していた。
気さくと言うか話しやすそうな人だな。
表情が分かりやすいと言うか……。
嫌々行く日比野さんを見送りながら
私は、周りを見渡した。
周りは、皆さん営業に行っているせいか
少ないけど女性や年配の方が多い気がする。
不安もあるが、何とかやって行けるだろうか?
すると
「おい、まどか
少しは、歩けるようになったか?」
えっ……?
課長がまた私に声をかけてくれた。
だが、何故呼び捨て?
「あの……」
「あぁ、悪い。ウチの部署は…ってか
俺が名前で呼んでいる。
嫌な人は、苗字で呼ぶようにしているが
まどかは、平気な方だろ?」
確かに名前を呼び捨てでも平気な方だ。
いやいや…それより何故そう思ったの?
私は、一言もそんなことは言っていない。
「何故って顔に書いてあるから。
それより歩けるのか?
歩け……もう歩けそうだな。ならお前の
指導担当は、俺だ。皆忙しいのと
お前は、色々と問題ありそうだからな。
直接指導がいいだろう…ってな訳で行くぞ」
「は、はい。」
今、凄い一方的に喋られた。
しかも微妙に何故私が思っていた事が分かったの?
いやいや、それよりも
課長が指導担当ってどういうこと!?
私は、唖然としまうのだった。