「大丈夫。俺がそばに居るから心配するな」
課長。そばに居てくれても怖いですよ。
だって幽霊で……地縛霊だし。
怯えている私の頭をポンッと撫でてくれた。
うぅっ……撫でられちゃった。
そして結局。不安になりながらも
そのまま地縛霊の住んでいる自宅に行く事に
なってしまった。着いたところは、
二階建ての一軒家だった。
「ここだ!」
「本当に訪問するんですか?
この自宅に……」
「あぁ、その方があの子のためになるからね」
不安にそう言うと課長は、インターホンを鳴らした。
すると奥さんが出てきた。
私は、不安で課長の後ろに隠れた。
「私は、保険会社〝フェニックス〟の西園寺です。
実家がお寺をやっておりまして
今日は、失礼ながら自殺した娘の麻衣さんの事で
話を伺いに来ました」
「麻衣に!?」
奥さんは、とても驚いていた。
そして事情を話して自宅にあがらせてもらう。
課長は、仏壇にお線香を供えた。
気まずいため私は、頭を下げて謝罪する。
「あの…すみません。
勝手に訪問してしまって」
「いえ…それより娘は、どうなのでしょうか?
やはり私達を恨んでいるのでしょうか?」
奥さんは、不安そうに質問してきた。
不安がるのも仕方がない。
急に現れて自殺した娘の事で訪問に来たのだから
「いえ。家族に対しては、申し訳なかったと
言っていますよ。
情けない娘でごめんなさいって」
課長がそう言ってきた。
そうしたら奥さんは、泣き出してしまった。