「爽太君が……?」

そうか……ちゃんと約束を守ってくれたのか。
良かった……本当に。
こんな俺でも少しでも役に立てたのなら嬉しい。

「鈴木もたまには、いい事を言うもんだね。
いいかい?龍心。人を陥れるのも人だが
救ってあげられるのもまた人だ。
相手のためにしてあげた事は、けして無駄ではない。
だからお前さんの優しさもけして
無駄ではないのだよ」

「それでも罪悪感や罪深いと思うのなら
その倍いい事をすればいい。
1つ悪い事をしたと思ったのなら3ついい事を
2つ悪い事をしたのなら6ついい事をすればいい。
仏様は、寛大なお方だ。
罪を改める人をそれ以上責めたりしないよ」

お祖母様の言葉は、いつも悩む俺に救いの
手を伸ばしてくれた。
1つ悪い事をしたのなら3ついい事か……。

「こんな俺でも人を幸せに出来るのでしょうか?」

「幸せにしたいと思える人が居るのなら 
まずは、相手に知ってもらう事だよ。
そしてひたすら愛する事だ。そうすれば必ず道は開く」

相手に知ってもらう。確かにお互いの事を知らないと
何も始まらない。彼女との恋も……。
お祖母様に話を聞いてもらったせいか気分が
少し楽になった。
いいアドバイスを貰えたし。

自宅に戻ると部屋に行く。
そろそろゆいかちゃんが目を覚ますはず……。
そう思いながら部屋に入って行く。

「……何をやっているんだ?」

鈴木さんが必死に一発芸を披露していた。
しかも裸踊りだし。
ゆいかちゃんと清水さんは、笑っているが。

『あ、お兄ちゃん!?』

『うえーん。もう…龍心ちゃん何処に
行っていたのよ~?
龍心ちゃんが居ないとゆいかちゃんが泣き出すし
泣き止ますために大変だったのだから~』

俺に気づくと鈴木さんが泣きついてきた。
それは……また。