こうやって見てると年の離れた妹を持った気分だ。
自分は、一人っ子だったから何だか嬉しくなる。
それに……大切な人の妹さん。
可愛くない訳がない。

早く仲直りさせてあげたい。
だが、それまでもう少し……早く気づいて
あげてほしい。
そう思いながら俺の目も自然と閉じていく。

翌日。朝早くから目を覚ました。
時計を見るといつも起きる時間より
かなり早い。

あくびをしながら隣を見るとゆいかちゃんは、
まだスヤスヤと眠っていた。
目を覚まさないように静かに起きると外に出て行く。
自宅の普段着は、住職の袈裟か浴衣姿だ。

浴衣姿のまま向かった先は、
離れた場所にある祖母の家。
山奥にある小さくて古い家にひっそりと住んでいた。

何故そんな場所に住んでいるのかと言うと
人間嫌いだからだ。
正確には、人間と関わり合うのに疲れたらしい。
お祖母様は、俺と同じ千里眼の力を持つイタコだ!
イタコは、成仏した霊を口寄せし話が出来る。
俺は、お祖母様に力のコントロールや
使い方を教えてもらった。

「おはようございます。
龍心です。ちょっと話がしたいのですが
よろしいでしょうか?」

「龍心か…そろそろ来る頃だと思っていたよ。
お入り……」

「はい。失礼します」

ノックをすると、そのように答えてきた。
さすが、お祖母様。何でもお見通しのようだ。
中に入ると待っていてくれた。
外は、古くても中は、綺麗になっている。

「さぁ、お上がり。お前の悩みなら分かっている。
来ているんだね?
例の彼女の妹さんが……」

「お祖母様……」

胸がギュッと押し潰されそうな気持ちになる。
上がると想いを話した。

「心配しなくても爽太君は、成仏して
次に生まれ変わるために新しい夫婦の所に行った。
夫婦とも子供好きだから、幸せになるだろうね。
龍心。お前さんのお陰でな」