「ほら、まどか。
それを食べたらまた、営業に行くぞ。
あ、それと…これをお前に渡しておく」
「はい?」
課長は、私に紙切れを渡してきた。
何だろうか?
気になりその紙を見ると携帯番号が書かれていた。
えっ?携帯番号!?
「もし幽霊や仕事で悩みがあるなら
いつでも連絡して来い。相談に乗るから」
「は、はい。
ありがとうございます!」
慌ててお礼を言った。
あ、そういう意味か…驚いちゃった!!
心臓がまたドキドキと高鳴っていた。
変に勘違いをしてしまった……恥ずかしい。
私は、恥ずかしさのあまり慌てて食べた。
そして結局。昼食を食べた後に
また何件か課長と一緒に回ることになった。
営業は、やっぱり色々と大変で帰った頃には、
ヘトヘトだった。
「疲れた~いろんな意味で」
帰ったそうそうにベッドにダイブする。
今日は、普通だと経験の出来ない事が
たくさんあった。幽霊や課長とか……。
初めての仕事に戸惑うばかりなのに
幽霊まで関わるなんて
もう恐怖やら驚きやらで精神的にもついていけない。
何なのよ…あれは?しかも、課長の能力って
あれは、もう異次元の魔法レベルだ!
普通の人間では、あんな能力なんて存在しない。
でも不気味とか異様とは思わなかった。
いや、まったく思わなかった訳ではないのだけど
こう……凄いと言うか課長の切ない表情や
いろんな事を思い出した。
あんな姿を見せられたら嫌だなんて思えない。
もっとそばで学んだり課長の事を知りたくなった。
「うぅっ…」
何だか頭の中は、課長の事で頭がいっぱいだった。
あぁ、恥ずかしい…。
心臓が高鳴りっぱなしでこんなの課長に
知られたくない。あ~どうしよう。
「あぁ、もう軽めに食べてから
お風呂に入って寝よう」