「それは、本当なのか!?
か、彼女のお腹に……お前の子が……」

「課長。それって本当なんですか!?」

父さんも驚いていたが、まどか自身も
驚いて詰め寄ってきた。
彼女には、まだ話していなかった。
サプライズとして残しておきたかったから

俺は、私の腰に手を回しながら
優しい口調で伝えた。

「本当だよ。まだ前兆が無いから
実感は、持てないかも知れないけど
近々前兆があるはずだ。
俺には、分かる。君のお腹に新しく宿る
2つの魂がハッキリと見える」

近々つわりがあるはずだ。
そして君は、母親になるんだ!

「龍心お兄様…本当ですの?」

まだ信じられない様子の麻白。
信じたくないのだろうが……それが事実。

「いいかい?よく子供は、
親を選べないと言うけど…それは違う。
子供が俺らを親として選んでくれるんだ。
そして、この2人は…俺とまどかを親として
選んでくれた。これは、喜ばしい事でもあり
これこそ仏のお導きだ。
あなた達に…この命を奪う権利はない。
彼らは、生まれるべきして宿した命。
仏に使えるあなた方なら分かりますよね?」

そう言って父さんに問う。
お腹の子供……龍聖と心愛は、それを望んでいる。
同じ力を持ち、どことなく俺に似ている2人は、
間違いなく俺とまどかの子供だ。

例え父さんでも2人の命を傷つけるなど許されない。
何も言えなくなってしまう父さん達。
麻白は、ただ泣き出すだけだった。
なんとも心苦しいやり方で結納が中止になってしまった。

でもこれで良かったのだ。
俺達、間違いを行わずに済んだのだから。

この後。両方の両親と話し合い
正式にまどかと結婚する事に決まった。
つまり改めて俺達は、結ばれる事に。
晴れて夫婦になった。