まどか……。
俺の表情を見てハッとした彼女は、
「ご……ごめんなさい」とだけ言うと
逃げるように資料室から出て行ってしまった。
俺は、資料室でポツンと取り残された。
何で……こうなってしまったんだ?
ただ、話し合いたいだけだった。
彼女に俺の気持ちを分かってもらおうとして
だけど分かってもらえなくて俺は、
どうしたら良かったんだ?何で……。
頭をかかえながら座り込んだ。
そうしたら
『もーパパったら、またママを泣かせてるし~』と
女の子の声が聞こえてきた。
この声は……まさか?
すると急に眩しくなり
また、あの真っ白い世界に引き込まれた。
『パパ。また会えた~!!』
またもや背中目掛けて
女の子は、抱きついてきた。うわっ!?
驚いて前に倒れ込んでしまった。
「驚いた……えっと……心愛ちゃんだっけ?」
『うん。心愛だよ~。
ちゃん付けいらないよ』
ニコニコと笑いながら言う…心愛。
すると後ろから
『僕も呼び捨てでいいよ。父さん』と
そう言ってきた。龍聖……。
「龍聖……どうして?」
『フフッ…僕達がまた呼んだんだ。
ダメだよ。母さんを泣かせたら』
「あ、あれは……」
『パパ、乙女心。分かってな~い!!』
そう言うと心愛は、座っている俺の膝に乗ってくる。
キャッキャッとはしゃぎながら。
この子は、明るくて人懐っこいな。