※回想。
中学の頃、日直当番で長谷川君と組む事が多かった。
『長谷部』と『長谷川』苗字が一字違いだったからだ。
私は、その当時…妹のゆいかを
事故で亡くし周辺で不思議な事が起きていた頃だ。
写真を撮れば心霊写真として写り込み
身体は、いつも重い。
クラスの子や友達は、私に何か
取り憑いているのではないかと騒ぎになった。
そのたびに親友の美里が怒って庇ってくれたけど
周りは、私の周辺に起きる事を気味悪がった。
次第に関わらないように避けられ
悪口を言われたり軽いイジメをされるように。
だけど美里だけは、私に離れずに居てくれた。
そんなある日。
私が日直で先生に日誌を届けてクラスに
戻ろうとした。すると
クラスの中で、話し声が聞こえてきた。
こっそりと覗くと長谷川君とその友人達だった。
何を話しているのだろう?
すると1人の男子生徒がこんな事を聞いてきた。
「おい。お前って長谷部のこと好きだろ?」
からかうように長谷川君に言った。
えっ?長谷川君が私を…!?
驚いたがドキドキしながら一生懸命聞いてしまう。
彼とは、ほとんど話した事はなかったけど
よく目が合っていた。
だが彼の言った言葉は……。
「馬鹿な事を言うんじゃねぇーよ!!
な、何で俺が長谷部のことす…好きになるんだよ!?」
凄い勢いで否定していた。
長谷川……くん?
「だってお前いつも長谷部のこと見てるじゃん?」
「そうそう。同じ日直だから
張り切ってやっているじゃん?
素直になれよ…長谷川と長谷部なら似たような
カップルじゃね?」
男子達は、そう言いながら
馬鹿にしたように笑った。しかし
その言葉にカッとした長谷川君は、
「だから好きじゃないって!!
大体アイツ気持ち悪いじゃん。心霊写真とか写るし
そんな気持ち悪い奴を何で俺が
好きにならねぇーといけないんだよ!?
日直だって似たような苗字ではなかったら
絶対に嫌だし。あんなキモい女を好きに
なるぐらいなら車で引かれて死んだ方がマシだ!」と
大声で怒鳴り散らした。