慌ててその気配を捜した。
もしそうなら話を聞いてあげて
成仏をさせてあげないといけない。
すると眩しい光りが俺を襲ってきた。

「くっ!?」

思わず目をつぶった。
そして目を静かに開けると真っ白な世界に居た。
ここは……何処だ?
歩いてみても周りには、何もない。
一面真っ白で、静かな世界そのものだった。

「俺は、何処に居るんだ?」

『ここは、あの世と現世の狭間だよ』

えっ……?
声をする方向に振り返ると見知らぬ
男の子が居た。
白い衣装を着ている。

小学生ぐらいだろうか?
でも、さっきまで誰も居なかったのに…。
いや、それよりあの世と現世の狭間って
どういう事だ?俺は、どうして
こっちの世界に来てしまったんだ?

頭を混乱していると男の子は、
『そんなの簡単だよ。僕達が
あなたをここに呼び寄せたんだ。
力を使って』と発言してきた。

力だって!?
その時ハッとする。
この子の心が読めないことに。

心が読めないなんて
普通の人だと考えられなかった。

そんな事が出来るのは、イタコでもある
お祖母様ぐらいだ。彼は、一体!?
すると男の子は、俺を見るなりクスッと笑った。

『僕が誰か当ててみて』

当ててみろって……。
読めないから当てにくい。
しかし、それよりも気になるのは、笑い方といい
男の子の顔がどことなく俺に似ていた。