『それより、何!?今の発言。
女って意味が分からねぇ~って。
それって女の意見から言わしてもらうと
かなり失礼よ』
「……だって、そうだろ!?」
鈴木さんに叱られた。
しかし理解してあげたいと思っているのに
何を言っても理解してくれないのは、彼女自身だ。
『あら、女から言わしてもらったら
男の気持ちの方が分からないわよ。
急に現れてライバル発言された女の気持ちが分かる?
昔から想いを寄せていた彼を横から
かっ去られていく気持ちなんて分からないでしょ?
まどかちゃんだって同じよ!』
『女はね。男が思っているより複雑な生き物なのよ。
繊細だから傷つきやすい。
男のあなたが、しっかり繋ぎ止めておかないと
離れて行っちゃうわよ?
いくら運命だとか言っても口約束だと
安心は出来ないの。いつ……心変わりされるのかって
怖くなるのよ。それが女なの』
「じゃあ俺は、どうしたら良かったんだ!?
麻白を傷つけてでもいいから、彼女にもっと
ハッキリと口説き落とせばよかったのか!?」
カッとなって鈴木さんに
八つ当たりをしてしまった。だがすぐに我に返る。
違う。こんなの……ただの八つ当たりだ。
鈴木さんは、何も悪くないのに
俺は、何をやっているんだ?
『龍心ちゃん……』
「……ごめん。八つ当たりした。
ちょっと頭を冷やしてくるよ。
本当にすまなかった」
鈴木さんに謝ると俺は外に出た。
1人になって頭を冷やそう。
俺は、そのまま歩いて滝修行に使う滝まで向かった。
ここなら1人になれるから
滝を見つめながら、さっきの発言に対して反省した。
あぁ、何をやっているんだ?俺は……。
今のは、丸っきり子供ではないか。
彼女だって……俺を想い苦しんでいるのに
このままだといけない。このままだと……。
『そうだよ。このままではダメだよ!』
えっ?今、確かに声がした。
小さな女の子の声だった。
もしかして、成仏していない子供の霊か?