ハァッ……と深いため息を吐きながら
チラッと彼女の様子を見た。
すると切なそうな表情になっていた。
まどか……?
彼女の心の声が伝わってくる。
複雑な感情が……。
優しい彼女だからこそ
麻白の気持ちも理解が出来るのだろう。
確かに俺と違い、運命だとか言われても
簡単には納得が出来ないだろう。
言葉だけの理解。
それは、思っていたより限界があった。
伝わらない……想い。
「あの……私もそろそろ帰りますね」
「まどか……」
「課長の事だから私の心の中は、
お見通しだと思いますけど
私は、麻白さんの気持ちは理解が出来ます。
同じ立場として考えると胸が苦しくなりました。
頭を冷やしてもう少し考えさせて下さい。
課長と付き合うかどうか…」
そう言ってきた。
今の自分だと答えが出せないと感じたらしい。
「……分かった」
俺は、それを言うのが限界だった。
頭を下げると彼女は、部屋から出て行ってしまった。
ポツンと取り残された。
まどかと麻白の言い分も分かる。
分かっているつもりでいた。しかし
今は、分からない。
彼女達は、何故そこまでお互いを意識するんだ?
俺の気持ちは、ハッキリしているのに。
それを伝えてきたはずなのに……何故それを
信じようとしない?
麻白だって運命は、君ではないときちんと伝えてきた。
まどかだってさっき告白したばかりじゃないか?
意味が分からない。
「何だよ……それ。
女って意味が分からねぇ……」
頭をかきながらそう呟いた。
すると鈴木さんがスッと部屋に入ってきた。
『あらあら~絶妙な三角関係が
出来上がっちゃっているじゃな~い!?』
「鈴木さん!?」