「……反省しているならいい。
さっさと席につけ。皆さんが待っているぞ」

「はい。ありがとうございます。
まどか席に着こう」

父さんは、呆れながらも許してくれた。
頭を上げると彼女を見ながら言った。
彼女もホッとした表情をしていた。
俺らは、席に着く事にした。
席に着くと昼食に用意された料理を見る。

さっき、まどかや檀家さんが作っていた
ちらし寿司が置いてあった。美味しそうだな。
手を合わせて食べ物に感謝する。
そして食べてみると……とても美味しい。
皆の想いが伝わってきた。

そして食べ終わる頃に俺は、まどかに
「この後は、俺の講演会があるんだ。
退屈かも知れないけど聞いてて。
終わったら一緒に抹茶でも飲もう」と伝えた。

「はい。楽しみです」

ニコッと笑顔で笑ってくれた。
どうやら楽しみにしてくれているようだ。
良かった……。

講演会とは、専門家や講師などを招いて
演説や講演をしてもらう。
知識や経験などを学ぶためにある。
寺では、父や俺が担当することになっていた。
彼女が見ている前で上手く言えるだろうか。
そう思うと緊張してきた。

本堂に行くと俺は、前に立ち頭を軽く下げた。
そして話始めた。

「今日は、お見苦しい所をお見せして
申し訳ありませんでした。
俺も自分の新たな一面を知り驚いています。
意外に熱くなる方ではないと思っていたのですけどね」

苦笑いしながら言うと
周りの檀家さん達は、クスクスと笑いだしてくれた。
良かった。とりあえず
興味を持ってもらえたようだ!

「皆さん。運命の人って信じますか?
教えには、運命の人とは、前世や来世でも
導かれるように出会いまた夫婦になるそうです。
すると皆様は、すでに運命に導かれて旦那様に
会った事になりますね。そして来世もきっと…」

周りの檀家さん達に問いかけると
ざわざわと話始めた。

「私は、来世は…違う人がいいわ。
主人だとちょっとね。もっと素敵な人がいいわ」