「そ、そんな…課長の彼女だなんて
ただの部下ですので」

慌てて否定する。彼女だなんて恥ずかしい。
それにそんな関係ではないし……。
私は、頬が熱くなってしまった。

『あら、そうなの?
でも、龍心が彼女だと…』

「母さん。彼女には、まだ伝えて無いんだよ」

『もう龍心ったらちゃんと言葉で言わないとダメよ?
気持ちは、本来言わないと伝わらないのだから』

「はい。そう思っているのですが
つい先伸ばしにしちゃって…」

課長は、意味深い発言をすると
苦笑いしていた。
私は、まったく状況が伝わってこなかった。
どういう事なの?
課長とお母様は、何を言いたいのだろうか?

するとお母様は、私を見てニコッと微笑むと
こちらに歩み寄ってきた。
こちに来るのでドキッと心臓が高鳴った。

『龍心から聞いていたのよ。
もうすぐ…まどかさんに会えるって
自分の運命の人に出会えるって。
言葉が足りないこともあると思いますが
龍心の事はお願いしますね?
次に会える日を楽しみにしているわね』

そう言うとだんだんと
身体が薄れていくお母様だった。
そして見えなくなってしまった。

「あの…待って下さい!?」

慌てて止めようとするが無駄だった。
運命の…人?えっ……私が?
混乱している頭を必死に整理させようとする。
つまり…えっと…。
私は、課長と結ばれる運命ってこと!?

考えれば、考えるほど
身体中が熱くなってしまう。えぇっ…!?

「あの…これって…」