「まどかちゃんが、このお寺に来るなんて
珍しいわね。
今日は、お母さんの当番ではないはずだけど?」

おばさんは、不思議そうに言ってきた。
まずい……怪しまれているわ。
普段は、当番でも私は、来なかったから

「彼女は、俺の会社で働いている部下なんですよ。
今日は、わざわざ休みを返上して
手伝いに来てくれたんです」

すると課長がフォローするように言ってくれた。
課長……助かったわ。
おばさんは、なるほどと納得していた。
どうやら分かってくれたようだ。

「あら、龍心君の部下だったの?
それは、また意外ねぇ~でも羨ましいわ。どう?
龍心君、優しくて素敵な好青年だし」

「はい。凄く親切にして頂いています。
他の社員にも人気が高いですよ」

皆、心から課長を信頼している。
だから、課長として戻って来てくれて嬉しかった。
これからも一緒に居れられると思うと
しかしおばさんが

「違うわよ~そっちじゃなくて
結婚相手にどう?っていう意味よ。
旦那にしたら最高ではないかしら?」と
言い直してきた。

ニコニコしながら突然、衝撃的な事を言われた。
えぇっ!?ちょっとおばさん。
本人が隣に居るのに……なんてことを

「それは、さすがに課長に失礼では…」

慌てて止めようとした。
そうなったら素敵だけど本人の前に言われると
恥ずかしい限りだ。
まだ、付き合ってもいないのに…。
しかし課長は、ニコッと笑ってきた。

「それは、また素敵な話ですね。
真面目に検討してみます」と
言ってきたじゃないか。

えぇっ?そ、それは、本気ですか!?
それとも何かの冗談?
私は、頭の中がぐるぐると混乱していた。

「あらあら。いいわねぇ~若いって。
私もあと40年ぐらい若かったら立候補するのに」