「あ、お前さ、昨日の宿題やった?」
「宿題?あの数学の...はぁ、あんたまさか...」
「そのまさかっす。見せてください!お願いします!」
これは毎回のこと。
幸斗はいつもいつも宿題を忘れては私に見せてと、今のように両手を合わせてくる。
「もう、本当にいつになったらやってくれるんですか!いい加減にしてください!」
「はい!!ごめんなさい!」
「全くもう...。はい、ノート。」
「あざーす!いやぁさすが麻稀だわ」
こんな時だけ都合のいいこと言って...。
でも、でもね、こんなに言うけど、本当は、嬉しいんだ。
幸斗が私を頼ってくれること。
幼馴染だからってだけかもしれない。
それでもいい。
幸斗の近くに居られるのなら、私はできる限りのことはするつもりだ。