「ごめん。」


最終的にでた言葉は、“ごめん”。


なぜ私が謝るのだろう。


なぜ私がこんなに申し訳ない気持ちになるんだろう。


あぁ、泣きたい。


泣いて、泣きわめきたい。


「お前、熱でもあんの?」


そう言って私のおでこに手を当ててくる君。


やめて。やめてよ。


そんなに優しくしないでよ。


私のことなんて好きじゃないくせに。


私のこと、女としてなんて見てくれたことないくせに。


こんな時だけ優しくしないで。


「どうした?話なら聞くぞ?」


だからやめてって...。


「ううん、大丈夫。それより、幸斗の話は?」


そう言えば、幸斗は自分の話にもったいくと思った。


幼馴染の特権というものだろうか。


なんでも知っているからこそ、こんな時に役に立つ。