放課後、祐介が雨愛の席にやってきた

帰り支度をしていた雨愛は祐介の影に気付き顔をあげる

泣いたあと……

「管野、大丈夫か?」

「な、何が?」

「その泣いてただろ?五限目」

雨愛は真っ赤になってハンカチでまた顔を覆う

「昼休みに晴輝きたじゃん、何か関係ある?」

「ご、ごめん話すとまた泣いちゃうから……」

「もう、みんな帰り始めたしいいんじゃないか?」

といって雨愛の前に立ち隠してくれた

「晴輝と帰るの?」

雨愛は首を横にふった

「基本火曜日以外は帰らない、私のクラスのHRが早く終わったら待つときもあるけど……」

晴輝からメールが入った

‘終わった、帰る’

「終わったみたい」

雨愛はぎこちない笑顔で祐介に伝える

「行けば間に合うんじゃないのか?」

「もう教室出てるから無理、どうせ間に合っても門までだし……ごめん私すぐ泣いちゃって……気にしないで」

「いくら泣き虫でも何かないと泣かないだろ?」

雨愛はまたじわっと涙が出てきた

「俺、昨日お前と晴輝の元カノが歩いてるのみたんだ」

「亜美さんのこと知ってるの?」

「この間の火曜日晴輝と飯食いにいったじゃん、その時偶然会ったんだよ、話してはないけどな、晴輝が避けてたから」

「ハンバーガー食べた日だね」

「(笑)聞いたのか?」

「次の日に門まで帰ってたの、そしたら会いに来てたの、門で待ってて晴輝くんについていった、でも相手にされなかったから私のとこに昨日きて……だから歩いてた」

「昨日のこと晴輝は知ってるのか?」

「亜美さんがメールしたみたいで……ごめんこれ以上はごめんなさい」

雨愛は涙が流れてきた

「わかった、悪かった」

祐介は雨愛の頭をポンポンと触った

「晴輝は会うの嫌がってたよ」

「わかってはいるんだけど……ありがとう気にかけてくれて」

雨愛はカバンを持ち立ち上がった

「また月曜日にね」


晴輝はバイト終わって家に帰ると祐介からのメールを開いた

‘バイト終わったら電話くれ’

何だ?

晴輝は祐介に電話する

「もしもし、何だ?」

「あー忙しいのに悪いな、お前今日昼休みにうちの教室来て管野のこと呼んだじゃん」

「うん」

「ずっと泣いてたぞ、何言ったんだよ」

「何って、雨愛が亜美に俺の父さんの墓を教えて亜美が墓参りしたってメールきたから雨愛に余計なことすんなって言ったんだよ、雨愛泣いてた?」

「五時間目泣いてた」

「でもあいつすぐ泣くし、俺のことじゃないかも」

「お前さ、管野に言う前に考えなかったのか?」

「何を?」

「何で管野と元カノがつながったかっていうこと」