日曜日、お祭り二日目

雨愛のお寺では近所の人達が炊き出しに集まり料理を作ってくれていた おみこしをかけない小さい子供達はお寺で走り回って遊んでいる

12時を過ぎた頃、晴輝からメールが入る

‘今、バイト終わった、そっち行くから’

‘はーい、気をつけてね’

この返事だとこの間帰ってしまったことは怒ってないようだけど、やっぱり謝らないとな

晴輝は寺に到着した

わっ、人が一杯いる

こんなにいるとは思わなかった、忙しいって雨愛が言うから手伝おうと思ったのに人足りてるんじゃないか?

「晴輝くん、こっちいらっしゃい」

雨愛のお母さんが気づいて呼んでくれた

「はい、こんにちは、忙しいと聞いてたのでいつもお世話になってるので手伝おうと思ったんですけど俺することありますかね?(笑)」

「あるある(笑)今、雨愛呼んでくるわね」

おでんを炊いていた近所の人達から声をかけられる

「雨愛ちゃんの彼氏さんかい?」

「あっ、はい」

「いい男だね、私もあと40年くらい若かったら(笑)」

「おばちゃん、40年以上じゃないの?」

若い主婦達に突っ込まれながら楽しそうに会話していた

「晴輝くん、バイトお疲れ様」

「うん」

雨愛がエプロンをつけてやってきた

「食事しようよ、私も今から食べるから、はいお皿とお箸」

「ありがとう」

「いただきまーす、おばちゃん、おでんもらうよ」

「いいよ、雨愛ちゃんはコンニャクと大根とじゃがいもは絶対だよね」

「うん、毎年だもんね(笑)晴輝くんは何が好き?」

「俺は練り物とか卵とか」

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

晴輝はおでんを頬張った

「美味しい!」

「でしょ、大きな鍋で煮込んでるからね、これもおいしいよ」

雨愛は次々とお皿にとっていく

「雨愛、もっとゆっくりでいいよ(笑)」

「ごめん、全部美味しいからね」

「うん、雨愛、何か手伝えることあるかな俺」

「あるよ、あそこの段ボールに子供用のお菓子があるからおみこしきたら渡して欲しい」

「わかった」

「おみこしきたら忙しくなるからしっかり食べとかなきゃ」

雨愛は大根を美味しそうに食べる

おでんをたいらげてからおかずにも手をつけていく

「これは、雅子おばさんが作ったぶん、こっちは新開のおばちゃん」

雨愛はお皿にとっていき晴輝の前に置く

「名前言われてもわかんないよ、全部旨いよ、お前食べ物が目の前にあると楽しそうだな」

「えっ、楽しいでしょ」