「あー、何ていえば……」

「別にいいよ、俺も言ったはいいもののみんなに広めても困ることもあるんじゃないかって考えないこともなかったし、お前みたいにモテる彼氏をゲットした管野の立場もあるだろうし……まあ噂になってないからどうなってんのかなと思っただけ」

祐介は水を一杯飲んでため息をついた

「祐介にも言ったけど告白された子に今は誰とも付き合わないっていってしまった手前、最初に決めてた就職が決まるまでと思って、それに確かに雨愛の立場も考えてなんだけど勝手なのはわかってる、よく雨愛にも言われるし、この間もちょっとそれでケンカになりそうになったし」

「お前、泣かすなよ」

「泣かしてるつもりはないんだけど……いや、俺学校では話してないから前の時以降、授業中泣いてたなら俺じゃないぞ」

「晴輝はさー、何で管野なんだ?」

「……?どういうこと」

「管野がいい子ってのはまあわかるよ、優しいとも思うけど、お前ならもっと……こう美人というか運動神経いい子とか明るい子的な?管野って悪く言えば地味というか……おとなしすぎる?」

「あー、まあ俺も地味とか、おとなしいっていうのは解るから気にすんな、何ていうか気持ちが綺麗って思うんだよな、泣き虫すぎるんだけど泣き顔も俺にはツボでその後の笑顔がまたいいんだよ、これは多分俺しか知らないとこだと思うんだよね」

「笑顔ねー、普通に笑ってるとこは見るけどそれとは違うのか?」

「うーん、違うと思う、菓子食ってて幸せそうなとことか基本優しいとこは当然で、その地味で平凡な雨愛のことを野球部だった河野ってやつが雨愛の良さに気づいて去年告白してたってことがこの間わかってちょっとケンカになりかけたんだけど」

「只の嫉妬じゃねーか、それも去年って」

「だから俺のわがままばかりだよ(笑)雨愛は河野のことを知らなかったんだぜ、何で河野が好きになったか腹立つじゃん、どこで雨愛のことをいいと思ったのか聞きたいくらいだよ」

食べ終えた食器を店員が下げにくる

「暇だからもう少し休憩いいわよ」

「ありがとうございます」

「で、就職はいつ決まるんだ?」

「今月中には、もう少しだな」

「決まったら教えろよ、就職祝いしてやる」

「サンキュー」