親はいないからなー
あーもう考えるのやめよ嫌なら嫌って言おう

晴輝くんわがままだからな、でもそういうとこも含めて好きにならないとね

いつも笑っていた晴輝くんに戻って欲しい

私といることで笑って欲しいな


「晴輝、祭りはバイト?」

祐介から電話が入る

「バイトだけど昼は客少ないと思うから土曜日の昼に食いにこいよ、奢るし、この間のお礼」

「お礼ってもそんなたいしたこと言ってないし、まあいっか部活休みだから行くわ」

「おー、待ってる」


土曜日、祐介がやってくる

「俺も休憩もらったから奥の席いこうぜ」

「お前ずっとバイト?デートしねえの?」

「基本火曜日以外はバイトだよ、明日は昼までだから会うよっていっても向こうが祭りで家の手伝いが忙しいみたいだから俺も手伝いにいこうかと思って」

晴輝は大好きなハンバーグを頬張る

「家の手伝い?自営業とか?」

「雨愛はお寺の娘なんだよ」

「あー、それで俺が病院いった時に見かけたのか」

「おみこしの休憩場所になってるらしい、食べるものたくさんあるから来てっていわれてて……あいつ菓子がめっちゃ好きなんだよ」

晴輝が彼女のこと話すの珍しいな、うまくいってるんだろうな……

「知ってるよ、俺だって管野とは二年、三年と同じクラスなんだから、お菓子も学校に持ってきて友達に配ってる」

「そっか」

「なあ、もしかしてお前らが付き合ってるの知ってるのって俺だけ?」

「そうだな」

「この間さ……女子の話が聞こえてさ恋バナみたいなのしてて……うちのマネージャーにお前告白されたのか?」

「ん?ああ、そうだな」

「そっか……で断ったんだ……」

「当然、雨愛いるし」

「ふーん」

「何?」

「いや、お前かーと思ってな」

「え?」

「俺、マネージャーに告ったんだよ、そしたら好きな人がいるって……晴輝のことだったんだな、まあ納得したわ」

「いつ、告った?」

「体育祭終わってからかな」

「俺、告白されたの夏休み前だけど」

「まだお前のこと好きなんだろうな(笑)……だから言ったとおりだし、まさか自分で晴輝にアドバイスしといて、自分が振られるって思わなかったな」

「悪い、祐介に後押ししてもらったのに」

「まあ俺がお前に言ったのは振られた後だったし、相手がお前だったのは知らなかったし、別にお前を責めても仕方ないけど……実際お前に振られた後も俺じゃ駄目だったってことには変わりはない」